「GIヘルスアカデミー」は、メタジェニックスが主催するサイエンス発信ウェブサイト「Metagenics Institute」のコンテンツを中心に日本語化、編集した無料のeラーニング・プラットフォームです。このeラーニング・コンテンツは、メタジェニックスの唱える消化管アプローチの考え方がベースとなっています。
現在、日本は長寿国としてリーディング・ポジションを確立しています。しかし寿命の延長に伴い、認知症やアルツハイマー病に代表される慢性疾患の増加が惹き起こす問題は、老々介護など人口動態的な課題とも相まって深刻です。一方で、死亡に繋がる疾患構造が急性疾患から慢性疾患にシフトしている現在、従来の対症療法に焦点を当てた医療よりも、より疾患発症の機序に目を向けた統合的な根本治療に対する社会的ニーズは、さらに増していると思われます。
この社会的医療ニーズと昨今の「腸活」ブームともいえる腸内細菌叢の改善・維持への社会的な関心の高まりは無関係ではないでしょう。なぜなら、腸内環境こそが多くの慢性疾患発症に大きく影響を与える決定因子の一つであることが明らかになってきたからです。このような背景も相まって、消化管の重要性、腸内環境を決めるライフスタイルに対する配慮の重要性を重点的にカバーする、eラーニング・コンテンツ「GIヘルスアカデミー」は、社会的課題に対処していく全ての医療者にとって確固たるベースキャンプとなる。私たちはそう信じています。
生物の進化の過程を鑑みるとき、腸と脳とどちらが生物学的に優位なポジションにあるかということは、最近まであまり意識されることはありませんでした。しかしながら、胎児の発育過程を見ても分かるように、腸の発達は脳よりも先行します。また、人間が死に直面する際にしても、「脳死」という概念はあっても「腸死」はありません。このことから、人間の生命維持にとって「脳」は必ずしもクリティカルではないことがわかります。したがって、少なくとも腸が脳から独立して機能することは明白です。
次に、いうまでもなく腸に代表される消化管はからだの中にあって外部であるという意味から、生体の内部と外部を隔てる、また外界の情報を生体内部に伝える、もしくは双方的にクロストークをする非常に貴重な場を提供しています。このことは、腸(特に小腸)に免疫細胞の約7割が集まっているという事実からもよく理解できます。
GIヘルスアカデミーではこの非常に重要な臓器、「腸」の健康について、積極的に学習を進めます。
原因不明の体調不良や過度なストレスによる自己管理能力の欠如など、最初にアプローチすべきは腸内環境の改善です。このGI ヘルスアカデミーには、この最初のアプローチをどのように講じるべきか、自ら回答を導く道標としての役割を期待しています。
(宮澤賢史先生:医師・医学博士・臨床分子栄養医学研究会代表)
「消化管アプローチ」の基礎を習得。患者様の生涯健康のために、慢性疾患の根本解決へ。
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